果樹の主幹を短く切る理由

梅と桃の1年生苗をお届けした方からのご質問。

鉢植えにしょうかとおもってますが植え付け後、主軸枝はカットした方がいいのですか?


おはようございます。

この度は、お買い上げありがとうございました。

花ひろばオンラインの高井 尽(グリーンアドバイザー)です。

「果樹苗の主幹を地際から40cm程度に切り戻してください。」

果樹の植え付け方法を書いた紙には、このように書いてあります。

主幹は短く剪定をしていただく方が良いと思います。

果樹の1年生苗はこんな感じの棒苗です。


写真はサクランボのさおりの1年生接木苗木です。

ご覧の通り、1m以上あります。

せっかく長い苗木ですが、切り戻しをします。

ちゃらら~~~~♪(仕事人のテーマ)

バツン!

勿体無いと感じるかもしれませんが、思い切って40cm程度の苗木にします。

1年生果樹の大半はこのように短く切り詰めて植えることがほとんどです。

こうすることで地上部を小さくすることで根の負担をやわらげ、樹勢を回復させます。

主幹が短くなると芽の数が減るので、1芽に回る養水分も増えます。

10個の芽で養分を分け合うか、5個の芽で分け合うか?

少なくしたほうが、1個の芽に回る養水分が増えるわけです。

また、根の大きさよりも地上部が小さくなります。

根っこの大きさに見合うように地上部が勢い良く生長をしやすくなります。

強い剪定をすることで、樹勢が強くなる訳です。


切り戻しをすると、1年目の生長がよくなるわけです。

低い位置から枝の分岐が始まるので、樹高も低く仕立てることができます。

つまりは、低い位置で果実がなるので、収穫も楽チンになるわけです。

こちらは主幹を40cm程度で切って植えた梅の木です。

ご覧下さい。

低い位置から枝分けして、横に枝が伸びています。

横に伸びた枝から上に伸びる枝もあります。

低い位置で分岐させているので、花も低く咲き、果実も低い位置でなるでしょう。

こちらは主幹の剪定をしていない梅の木です。

1年生苗木の主幹の切り戻しをせずに育てるとこんな樹形になります。

高い位置から側枝が伸び、高さのある樹形になります。

立木仕立てで場所はとらないのですが、枝が互いに日照を阻害するので、樹冠内部に日当りが悪いため、内側の枝には花は少なく実も少ないです。

高い場所で実がなるので脚立に登って収穫します。

どちらの仕立て方でも、楽しみ方があります。

とある梅林でなぜかこの1本だけ立ち木仕立てでした。

植え付け時の剪定を忘れたのかなぁ?

枝を横に伸ばした方が花のたくさん咲き、実がなりやすくなり、コンパクトに仕立てやすくなります。

主幹の剪定は度胸がいると思います。

苗木を思って、愛情と思って、潔く、綺麗に切ってやってください。

果樹に限らず、庭木でも主幹を切り詰めても大丈夫です。

切ったからといって、これ以上大きくならないということではありません。

切ったすぐ下の芽が動き、主幹はまっすぐになって上に伸びて行きます。

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